サルパは冷たい海を好んで生息する深海魚です。
よく姿が確認されるのは北極・南極の海などが挙げられています。
しかし、サルパの生息地については近年「日本海域で見かけた」との情報が!
それだけならまだしも、日本でサルパが大量発生しているとのウワサも!?
その真相に迫ります。
サルパが日本周辺に大量発生しているワケ
2015年、日本海域にサルパが大量発生し、漁師さんに多大なる被害を与えたというニュースが席巻しました。
サルパがこの年に大量発生した原因としては、餌となる動物性プランクトンの大量発生が挙げられています。
もともとサルパは温暖な海でも生きていける生物です。
日本海にいること自体は珍しくありませんが、この年は餌となる動物性プランクトンの繁殖が非常にはかどってしまいました。
そのためそれらを捕食するサルパも必然的に増えていき大量発生につながったというわけなんですね。
本来、サルパは北極や南極の海などで多く生息が確認されている生物です。
冷たい海でも生きていけるためですが、別に温暖な海が苦手なわけではありません(そこがややこしいのですが)。
サルパの大量発生は、ズワイガニやエビの漁獲に被害を与えています。
深海魚ですので水深の浅い箇所での漁ではそこまで被害は大きくないのですが、問題は底引き網漁です。
海底をなめるように網を走らせるこの漁は深海で連鎖個体となっているサルパを大量にからめ取ってしまいます。
その結果網が破れてしまったり、網の中に大量のサルパが紛れ込んでしまうのです。
透明で幻想的と言われるサルパですが、大量発生は漁を生業とする漁師さんからは問題視されているのです。
まとめ
日本近海でサルパが生息していることをそもそも知らなかった!という方もいるのでは?
大量発生が問題となったのは2015年の話ですが、地球温暖化で海水の温度が上昇している現在、サルパの大量発生は珍しいことではありません。
むしろそれが常態化してしまうことこそが問題のように思えます。
私たちの生活と、サルパの生態系保護を両立することは難しい課題ですが、環境の変化に対応して対策を打ち出していくことが肝要といえるでしょう。