サルパという深海魚をご存知ですか?

樽型の生物、数年前にとある写真で話題になったなど、ネタはつきませんが、なんといってもその特徴は透明な外見!

ダイバーの方などはサルパの群れに囲まれたり目撃したりも少なくないようですが、その姿が幻想的というほかありません。

深海魚は謎の多い生態系がほとんどですが、サルパは非常に個性的な生態と言われています。

その一端を垣間見てみます。

個性的!?幻想的!?サルパの生態

サルパは尾索動物という種類に分類され、仲間にはホヤがいます

脊椎の有無などから、魚と人間の中間地点と呼ばれることも。

そんなサルパの生態ですが、個性的な特徴がいくつかあがってきています。

まずひとつめは食事です。

サルパは先端の口のような孔から海水を吸うことで餌のプランクトンを摂取します。

それだけなら何も不思議はありませんが、その吸い込む力を利用して水中移動までしてしまうのです

有り体に言うと「食事しながら移動する」、要するに「食べ歩き」というやつです。

この食事ですが、特徴は移動するだけではありません。

サルパが好んで食べるものに藻がありますが、この藻は二酸化炭素を取り込む特徴があります。

それをサルパが食べるのですが、藻が含む二酸化炭素を糞として排出します。

つまり二酸化炭素を処理してくれる役割があるということです

サルパが地球にやさしい生物であるといわれる理由です。

次に増え方を見ていきます。

サルパの繁殖方法は非常に特殊で、それだけで一記事書けてしまいそうなのですが、ここでは簡潔に。

端的に言うと「有性生殖と無性生殖をする」という、文字に起こしてもよくわからないことをしでかすのです。

サルパの繁殖は自分のクローンを増やす作業と言っても相違はありません

最初に無性生殖で分裂し、自分のクローンともいえる連鎖個体を生み出します。

そこから今度は連鎖個体で有性生殖を行うのです。

この時点で「なんで?」という不可思議生命体なのですが、ここで終わりません。

サルパの体内で卵が成長し、生まれると体外に放出されます。

そうするとその新しい個体が無性生殖からの有性生殖を繰り返す……というループなのです。

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まとめ

幻想的なサルパですが、その生態も非常に特徴的でした。

私たちが排出した二酸化炭素を循環から外すという、地球に優しい生態をもっていたり、はたまた連鎖を繰り返して15mほどの大きさになってみたり。

謎が多い生物ですが特徴がわかるたびに驚愕の連続です。

ちなみに連鎖個体は文字通り連なっているので、それを利用してサルパに卵を産みつけたりするサルパを住居とする魚もいるようです。

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