大昔からその形態をほとんど変えず現代まで生き残っている、いわゆる「生きた化石」のひとつとして有名なオウムガイ。
水族館で飼育されているところを見たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このオウムガイ、とても貴重な生き物ですが、繁殖は可能なのでしょうか。
また、どういった方法で繁殖するのでしょうか。
きっとご存知の方はあまりいらっしゃらないのではないかと思います。
まだ解明されていない点も多くありますが、オウムガイの繁殖について今回はご紹介していきます。
オウムガイの繁殖方法
オウムガイは卵生です。
寿命が長いため、繁殖できるようになるには数年という長い時間がかかります。
繁殖できるようになると、オスとメスが向かい合うようにして交接し、メスはしばらくすると浅い海に移動して産卵します。
オウムガイは、他の頭足類の生物とは違って、一生のうちに複数回産卵をおこないます。
繁殖時期がいつ頃なのかははっきりとわかってはいませんが、メスが卵を産み落としてから実際にオウムガイの赤ちゃんが誕生するまで、なんと10ヶ月もの時間を要します。
産み落とす卵の数は一度に5個前後。
大きさは3~4cmまでになり、その中からは完全なオウムガイの外見をした赤ちゃんが孵化します。
オウムガイの繁殖は、各地の水族館などで試みられています。
特に力を入れているのが三重県の鳥羽水族館です。
1995年にはじめてオウムガイの孵化に成功し、これまでになんと150体以上の孵化に成功しています。
個人で飼育して繁殖させることもおそらく可能ですが、オウムガイを繁殖できる年齢まで育て上げるのがまず大変なうえ、現在はワシントン条約によってオウムガイの輸入が制限されてしまっているため、現実的には難しいかと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
現在オウムガイの繁殖は各地の水族館で行われていますが、飼育下での寿命があまり長くないこともあり、日本での飼育数はあまり多くありません。
ワシントン条約で輸入が制限されたことも重なり、今後の飼育個体数の減少が危惧されています。
今後も繁殖に力を入れて、個体数が増えていくことを期待したいですね。