水中をぷかぷかと漂う姿が人気のオウムガイ。
水族館で飼育されている姿を見るのが一般的ですが、近年はペットとしても珍重されています。
しかし、自宅で飼うとなった時に気になるのがその寿命です。
太古の昔からその姿をほとんど変えず現代まで生き残り、「生きた化石」と呼ばれる彼らですが、その1匹1匹の寿命は、果たしてどのくらいなのでしょうか。
オウムガイの生態も踏まえつつ、その平均的な寿命について解説していきたいと思います。
オウムガイの寿命について
オウムガイはイカやタコと同じく、頭足類という種類の生き物ですが、その体はおよそ4億5000年前からほぼ進化が止まってしまっています。
それに比べ、タコやイカなどは独自の進化を遂げ、その成長のスピードも著しく速くなりました。
一方、オウムガイは完全に成長するのにいまだ何倍もの時間を必要とします。
このため、タコやイカの寿命が1年から2年しかないのに対し、オウムガイはなんと20年以上も生き続けます。
ただし、これは野生環境下におけるオウムガイの場合に限られています。
オウムガイは水深300~500mあたりの水の綺麗な海域にしか生息しないため、雑菌の繁殖や水温の変化などにとても弱く、人間の手で飼育するのは本当に難しい生き物です。
寿命も野生のものと比べるとぐんと短くなってしまい、現在のところ、飼育されたオウムガイの世界最長生存年数は1689日(鳥羽水族館、2009年~2015年)となっています。
普通に飼育した場合、環境に細やかに気を配ってあげ、まめに世話をしてもなお、平均的な寿命はおよそ3~4年であると言われており、あまり長生きはしないというのが一般的なようです。
まとめ
オウムガイの平均寿命についてご紹介しました。
野生のオウムガイはとても長生きですが、人の手で育てるのはなかなか大変です。
世界最長記録を樹立した鳥羽水族館でも、そのオウムガイが亡くなった原因はいまだ不明で、その生態に謎の多い生き物でもあります。
もしオウムガイを自宅で飼う機会に恵まれたら、ぜひ大事に育ててあげてください。
もしかしたら、世界最長記録を超えて長生きしてくれるかもしれませんよ。