深海生物の一種、オウムガイ。

外見や名前から、貝の仲間であると思われがちですが、実はそうではなく、イカやタコなどと同じ、頭足類という種類に属しています。

見た目が全く違うので不思議に思うかもしれませんが、じっくり観察してみると共通点がとても多いのです。

では、具体的にどういった仕組みになっているのでしょうか。

他の生物とも比較しながら、オウムガイの構造について見ていきたいと思います。

オウムガイ 殻 構造 浮く

オウムガイの殻の構造

普通の巻貝の場合、貝の中はひとつの部屋になっていて、仕切りなどはありませんが、オウムガイの殻の中はらせん状になっており、細かい仕切りで区切られています

はるか昔に絶滅したアンモナイトとは外見も似ており、一見すると殻も同じもののように見えますが、アンモナイトは殻の中心部分に初期室という小さな丸い部屋を持っているのに対し、オウムガイにはそれがありません。

この構造は、イカやタコが大昔に持っていたとされる殻の構造と同じもので、オウムガイがどちらかというとイカやタコに近い生き物であることを示すものとなっています。

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オウムガイの貝殻が浮く仕組み

この殻の仕切りの一番外側にはオウムガイの本体があり、それより内側の仕切りの中身は空洞になっています。

この空洞の中にはカラメル液と呼ばれる液体とガスが入っており、オウムガイはこの液体の浸透圧を利用してガスの量を調節し浮力を得て、海中に浮くことができるのだと言われています

また、イカやタコにあるものと同じ、「ろうと」と呼ばれる器官を体内に持っていて、そこから吸い込んだ水を噴き出し、それを推進力にして移動しますが、その動きはとてもゆっくりとしたもので、イカやタコのように素早く獲物を獲るのには向いていません。

まとめ

オウムガイの殻の構造について解説しました。

イカやタコなど他の生物と似た性質を持ちながら、大昔から変わらぬ原始的な姿を保ち、進化をほぼ止めてしまったにもかかわらず、現在まで生存しているオウムガイ。

なんとも不思議なその生態は、多くの人々を魅了し続けています。

興味が湧いた方はぜひ、水族館でオウムガイを観察してみてください。

きっと新しい発見が待っているはずです。

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