長い身体に険しい顔からウナギザメなどという別名を持っているラブカ

深海に生息し、その出現は稀と言われていた魚ですが、昨今世界中で偶発的に水揚げされるようになり、その姿態が明らかになってきました。

ラブカの身体には多くの稀有なフォルムの部位が見られますが、なんといっても驚きなのは、口内にびっしり詰まっている鋭い無数の歯です

その総数300本と言われています

では、この歯はなぜ備わっているのでしょうか。

それは、好む餌の捕獲にとても役立っているようです。

ラブカの生態を元に、その歯の仕組みについてお話しします。

ラブカの歯はどんな形?どうしてそんなにたくさんあるの?

ある時、偶然紛れて水揚げされた見るも珍しい形のラブカを見た漁師は「別の時代から来た魚」と感嘆したそうです。

サメ目とは言え、ヒレは後方にありその形は単純で、蛇のような長い身体を動かす様を見ると一見サメとは認識しがたいものがあります。

ラブカは水深1000mの場所に生息し、タコやイカなど頭足類を好んで食べます

ご存知のように、頭足類は軟体動物ゆえに確実に捕獲し食すには、相当の顎の力や噛み切る術が必要ですが、研究観察の結果、顎の力は比較的緩いようです。

そこで、ラブカの300本の歯が活躍します。

通常サメの仲間の歯は、口元に沿って鋭い牙のような歯が一列ないし複数に重なって並んでいます。

しかし、ラブカの歯は、口元から口内に向かって縦に列を成し、無数の小さい鋭い歯が内向きに並んでいます。

この歯列が一定間隔で口元を占めていて、獲物を捉えた場合、飲み込みながら無数の牙が獲物のボディを引っ掻き後退を阻みます

これによって、口内で獲物を傷つけ暴れ逃げないようになっています。

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まとめ

その生息のルーツははるか昔と言われるラブカ。

知るほどにその生態の謎は、古代生物を知る上でも架け橋となる様相に魅力を感じます。

深海でひっそりと暮らすにあたり、生態の進化は遅く、特異な歯列を見ても巧妙に獲物を仕留めるための仕組みを

持ち合わせていますが、その形状はいかにも原始的狩猟法に見合ったものとも見受けられます。

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