太古の昔からほとんど進化することがなく現代まで生き延び、「生きた化石」と呼ばれるオウムガイ。
水棲生物に疎くてもその名前だけは知っている、というくらい日本ではポピュラーな生き物ですが、いざ特徴を聞かれると困ってしまう方もいるかもしれません。
また、オウムガイは形が似ているアンモナイトと混同されることもしばしばあります。
今回は、そんなオウムガイの特徴についてご紹介したいと思います。
オウムガイの外見的特徴
オウムガイは丸い貝のような殻と、軟体動物特有の柔らかい体を持っています。
その見た目から貝の仲間だと思われることもありますが、実はイカやタコに近い種であると言われています。
イカやタコも、大昔は殻を持っていたのですが、今では退化しており、イカは体内に殻を残すのみ、タコに関しては痕跡すらなくなっています。
アンモナイトとオウムガイは形が似ていますが、アンモナイトは中生代に既に絶滅してしまっています。
また、殻の渦巻きの方向がそれぞれ逆になっており、化石の状態のものを識別するにはここを見るとすぐに分かります。
オウムガイの殻はオレンジ色と白の縞模様になっており、その中には、浮力をコントロールする部屋と本体が入っている部屋があります。
本体には約90本もの触手があり、触手の先の皺を利用して何かに貼りつくこともできます。
普段はあまり動かすことはありませんが、食事の時はこの触手を伸ばし、餌を器用に絡め取って食べます。
オウムガイの目の特徴
オウムガイの目は殻の丁度付け根の部分、体の横側に位置しています。
深海に住んでいるからか、あまり発達してはおらず、レンズの機能も有していないため、視力はほとんどありません。
餌を探すときは、嗅覚を頼りにしていると言われています。
オウムガイの大きさ
生まれたばかりのオウムガイはおよそ2.5cm。
小さいながらもちゃんとオウムガイの形をしています。
そのまま大きくなり、最終的には20cm前後の大きさまで成長します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
オウムガイの特徴がなんとなくイメージしていただけたのではないかと思います。
他の生物とは違い独自の進化系統をたどっているため、不思議な点がとても多いオウムガイ。
気になった方はぜひ、実物を見に行ってみてくださいね。