皆さんはクマムシ、という動物をご存じでしょうか。
形がクマのようにずっしりとしているから、ということで、クマムシ、というように呼ばれ始めたこの動物(実際、英語圏でもwater bearと呼ばれています)。
とは言っても、サイズ自体は実は最大でも2mmに満たないほど、小さな動物なのです。
そんなクマムシ、実はある呼び名でよく知られています。
その呼び名とは、「世界最強の動物」です。
サイズ的にその名前で呼ばれることは、少し不自然に思われる人もいるかもしれません。
力がとんでもなく強い、というわけでもなく、毒を持っていたりする訳でもないクマムシ。
ですが、実は彼らが持っているある習性が、その呼び名にふさわしい能力(といってしまうと護衛がありますが)を発揮させるのです。
というわけで今回は、クマムシがどうして世界最強と言われているのか、ということを詳しく見ていきたいと思います。
クマムシが最強の生物と言われる訳
クマムシが「世界最強」なんて呼ばれているのには、ちゃんとした訳があります。
それには、クマムシが持っている「乾眠」という習性が深く関係しています。
クマムシは、本来水生生物なので、乾燥状態には弱い動物です。
しかし、その水がなくなってしまって、乾燥状態にさらされるときがあります。
そういう時に、自らを乾燥に対応させるために、自ら水分を抜いて、仮死状態に入ることができるようになっているのです。
この状態の時には代謝も止まっているのですが、再び外部から水が与えられると、動き出せるようになります。
この乾眠の状態になっているときには、実は乾燥に耐えられるだけではなく、信じられないような環境耐性を見せるのです。
これが、クマムシが世界最強と呼ばれる訳です。
そして、次の章で見る、宇宙空間でも生きていけるということに繋がってくる訳です。
クマムシは宇宙でも生きていけるの?
前の章で紹介したように、乾眠という状態に入ると、クマムシはとんでもない環境耐性が見られる、ということでした。
そんなクマムシが宇宙空間でも生存できるというのは、実は乾眠状態なら真空にも耐えることができるからです。
その状態の中に放り出されても、再び空気のあるところで水を与えれば、動き出すのです。
それに加えて、7500気圧にも耐えることができるというのだから驚きです。
まとめ
小さい体ながら、宇宙空間にも耐えることができるクマムシ。
そんなクマムシの研究が、これからの未来を作っていくことに繋がるのかもしれません。