世界各地でその生息は確認されていて、8本の長い足で海中を動き回る『ウミグモ』。
陸に住むクモとは全くの別の生き物で、近縁の生き物でもないそうです。
今回は、海底の変な生き物として近年注目されている「ウミグモ」について水族館での飼育方法を見てみましょう。
ウミグモの飼育方法とは?
水族館に展示されているウミグモはおよそ100種類いると言われています。
ウミグモの種類の中でも深海で生息している個体が多く、その大きさは大型で目立つことから水族館では時折展示されています。
足しかないと言っても可笑しくないくらい、その脚は長く『皆脚類』と呼ばれています。
人にとっては無害なウミグモさんたちですが、肉食性でイソギンチャクやサンゴなどにくっついてその体液を吸っています。
また、水族館ではなかなかどんなものを食べるのかが不明だったころ、ウミグモがイソギンチャクに食らいついている姿も観察されていますので、やはり肉食であることが分かります。
水族館の中の深海魚コーナーなどに行くとウミグモさんたちは見ることができ、水中を泳ぐと言うよりも這うように歩く姿を見ることができます。
三重県にある「鳥羽水族館」では“へんないきもの研究所”という特設コーナーの展示がされていて、ヤマトトックリウミグモという種類のウミグモが時々展示されているようです。
鳥羽水族館ではウミグモに餌として「ホンダワラケムシ」を与えていることや、それを吸い込む姿、またホンダワラケムシに寄生しながら成長している姿が観察されたり、普段はゆっくりな動きを見せるウミグモがコケムシの触手をむしり取るために触手が伸び切った瞬間を見逃さずに早業で行動する姿などが観察されています。
過去には鳥羽水族館のホームページにウミグモさんたちの飼育日記がつけられていました。
しかし、ウミグモに関する詳細が書かれたものは少ないため、繁殖や幼生飼育のための資料が必要であると水族館では考えられていることが多いようですね。
まだまだ謎の多い生物のようです。
まとめ
クモと言う名前がついていて見た目もまさにクモなのに、陸に住むクモとは全く別の生き物・ウミグモ。
その生態は水族館であってもなかなか突き止めることが難しく、三重県の「鳥羽水族館」では“へんないきものコーナー”で時折展示されています。
寄生しながら生きるという独特の生態系を持っているウミグモ、しかしその実態はまだまだ解明されていないことも多く今後のさらなる観察が期待されます。