その多くが謎に包まれている魅惑の深海魚・ギンザメ。
特徴的なシルエットに魅了される人も多数な様子。
さて、深海魚であり地上に引き上げられることは少ないギンザメですが、もし触る機会があれば注意が必要です。
なんと、背中には毒が潜んでいる!?
その強さはいかほどか、詳しく見ていきましょう。
ギンザメの毒にご用心!
ギンザメの背鰭は山なりに大小ふたつのものが備わっています。
毒があるのは、その内の大きい第一背鰭です。
先端が鋭い棘になっており、そこに毒があります。
背鰭の棘は前面が縦に隆起しており、前に浅いへこみがあります。
背面に毒を分泌する組織があります。
灰色の毒腺組織です。
背鰭の毒性はそこまで強いものではありません。
ラットで実験したところ、亡くなるまで丸一日以上かかるとのことでした。
そこそこの時間がかかりますので、毒の周りや効果はゆっくりめ、といったところでしょうか。
もちろんギンザメの背鰭の毒は安全、というわけではありませんのでくれぐれもご注意を。
もし、ギンザメに触れる機会があれば、背鰭は触らないのが賢明です。
人間への被害はというと、命に別状はないレベルですのでそこまで毒性が強いわけではありません。
ただ、刺されると非常に痛いそうなので、命に関わらないとは言っても注意が必要です。
ちなみに、テングギンザメになると鼻の先端に毒を持ちます。
ギンザメとは異なりますので留意しておくと良いでしょう。
まとめ
毒、と聞くと怖いイメージがあります。
もちろんそうですけれども、毒といっても一言では分類しきれず、即効性だったり遅効性だったりと多種多様です。
また、人間にはどの程度影響を及ぼすのかも、毒の程度や対象となる動物の種類で効果が変わってくるものです。
そういった意味でギンザメの毒は人間にとっては刺さると痛い程度のものです。
そもそも、深海に住むギンザメが陸に上がって私たちが直接触れるチャンスというものが希有ですが……毒と聞いて一概に身構えるのではなく、ギンザメの押さえておくべき身体的特徴として胸に留めておくのが良いのかもしれませんね。