近い将来、ヌタウナギの粘液から繊維が誕生するかもしれません。
今、ヌタウナギの粘液が繊維になる研究が進められていることをご存知でしょうか。
蜘蛛の糸同様、ヌタウナギの粘液が繊維に生まれ変わる日がくるのか、解析してみたいと思います。
ヌタウナギの粘液は繊維になるの?
わたし達の身近にあるナイロン、ポリエステル繊維といった素材は、主に石油から作られていることをご存知でしょうか。
石油から作る繊維は、地球に優しくない繊維と言われて久しいですが、ヌタウナギの粘液から繊維が誕生すれば、それこそ、地球に優しい繊維と言えるのではないでしょうか。
ただ、ヌタウナギは、その見た目から嫌悪感を抱く人も少なくありません。
ウナギやアナゴ状のスタイルを持っており、身体をくねらせて泳ぐ姿は他の魚に比べ、確かにカッコイイものでもありません。
ヌタウナギが嫌われるのは、その見た目だけではありません。
ヌタウナギには、命が尽きかけている生物を貪り食すという習性と、危険を察知した時に発生させる大量の粘液を分泌するという習性があり、その習性に対しても、嫌悪感を抱く人もいます。
が、その粘液が繊維に生まれ変わるとしたら、いかがでしょう。
カナダのオンタリオ州に住む統合生物学専門家であるダグラス・ファッジ氏は、ヌタウナギが発生する粘液を使って、環境に優しい繊維ができるかもしれないと仰っています。
ちなみに、ヌタウナギの粘液は、ストレスを受けた時に発生するものと、危険を察知し逃亡する時に発生するものの2種類の粘液があることが分かっています。
そのどちらの粘液も長さはおよそ15センチ、直径1ミクロン。
私達の髪の毛よりもはるかに細い繊維になります。
まとめ
現在、ヌタウナギの粘液の生態がすべて判明しているわけではありません。
繊維となるのは、もう少し先のことになりますが、環境に優しい繊維となり、私達のために役立つ粘液である可能性があることは、確かなようです。
現在進められている蜘蛛の糸が持つ遺伝子よりもヌタウナギの細胞の遺伝子は小さいため、理論上では、その遺伝子を移植すれば、大量に生産することも可能だとのこと。
ヌタウナギの繊維が誕生するまで、期待して待っていましょう。