ギンザメは古代魚の派生とはいえ魚類に分類されますから、産卵をして子孫を増やしていく卵生です。
サメは魚類で卵生だということを忘れる方も少なくありません(厳密にはギンザメはサメの仲間ではないですが)。
ギンザメの繁殖期は?産卵ってどうやってするの?陸に上がることは珍しい、ギンザメの知られざる産卵方法について調査しました。
ギンザメの卵って、何度見ても『白いふわっふわなお花』が開花しそう。 pic.twitter.com/5OXaJjYD5C
— 碧乃6954@深海三姉妹末っ子 (@aono6954) 2017年11月9日
ギンザメの卵はどうやって産卵される?時期は?
「キマイラ」とも呼ばれ、様々な動物の特徴や外見に似ているギンザメ。
身体にも個性的な特徴が見られます。
まだ明らかにされていない生態が多いですが、その繁殖について分かっているだけでも聞いたことのないような特徴ばかりです。
産卵期は10月~7月の間。
広範なのは未解明な部分が多いためです。
すでにミステリアスなギンザメの産卵ですが、交尾にあたっては、オスの頭部にある突起が交尾器になっていて、それでメスの身体を固定するそうです。
交尾器は頭部の他に腹鰭にもあり、オスが交尾器を二種類もっているのもまず異色ですね。
ギンザメの産卵は早くても18時間、長いものですと30時間にも及びます。
卵は卵殻でコーティングされており、褐色で両端が細くなったシルエットが特徴です。
先端は鋭く尖っています。
縁には薄いひだがついているのも特徴です。
長さ20㎝とも言われる卵を左右の輪卵管から同時に産卵し、海底へと産み落としていきます。
そして、その卵は孵化するまでにおおよそ1年。
他の卵生の動物と比べても孵化が非常にゆっくりであることが分かります。
まとめ
ギンザメの学名は「chimaera phantasma」つまり、幻影の合成獣だとかそういった意味になります。
「キマイラ」とは神話上に登場する、複数の動物をつぎはぎしたような外見の獣です。
ライオンの頭、ヤギの胴体、ヘビの尻尾をもつものとして描かれていますが、ギンザメはそういった複数の動物を合わせたような外見をしているため、そう名付けられたと言われています。
それは外見だけにとどまらず、産卵においても非常に個性的です。
二つの交尾器をもつオス、丸一日以上かけて産卵するメス、そして両端が尖った卵殻をした卵。
ギンザメについては解明されていないことが多く、まだまだ調査段階ですが、ミステリアスな深海魚ですね。
これからさらなる解明がなされるかもしれません。