ゆったりとした動きが魅力的な深海生物、オウムガイ。
水族館などで見たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このオウムガイ、他の生物に比べて変わった点が多く、謎に満ちた生態をしている生き物です。
4億5000年前からほぼその進化は止まっており、生きた化石と呼ばれるオウムガイ。
その不思議な生態について、ご紹介したいと思います。
オウムガイの生態
オウムガイは南の暖かい海の海底近くで、浮かぶように泳いでいます。
動いていないようにも見えますが、殻の内側に空気を内包しており、この浸透圧を変化させることによって水の中で浮かび、バランスをとっているのです。
泳ぐ時は、体内の「ろうと」という器官から水を吸い込み、それを吐き出した推進力によって移動します。
イカやタコなどと同じ原理ですが、その力はとても弱く、イカやタコのように素早く泳ぐことはできません。
オウムガイは基本的に肉食で、小魚などを主食としているのですが、上記のようにあまり速く泳げないため、主に魚の亡骸や脱皮した殻などを食べています。
動物性タンパク質なら割と幅広く食べられるようで、オウムガイを食用にする文化のあるパラオなどでは、鶏肉を餌にオウムガイ漁をしているそうです。
餌を食べる時は、90本ほどある触手を器用に動かし、触手の内側にある口までゆっくりと餌を持っていきます。
餌を捉えるのも食べるスピードもとてもゆっくりしており、人の手で餌をあげる時は口元まで餌を持っていってあげないと、餌までたどり着けずに食べられないこともあります。
外からの刺激に敏感で臆病ですが、意外なことに人懐っこい性格をしており、慣れると自分から寄ってくることもあるようです。
基本的に夜行性で、昼間はあまり動かないことが多いです。
また、オウムガイの殻は、よく「黄金比」の例えとして使われます。
黄金比とは、人間にとって最も安定し美しいと感じる比率のことで、オウムガイの貝殻の巻き方がこれにあたると言われますが、正確にはほんの少し誤差があるようです。
まとめ
オウムガイの生態について解説してきましたが、実はオウムガイの生態はまだ謎が多く、解明されていない部分が沢山あります。
なぜこの姿のまま現在まで生き延びることができたのかなど、今後解明される生態もあるのでしょうか。
興味が尽きませんね。