動画などでぼんやり見ていても癒される、虹色の彩光が魅力なクシクラゲ。
もう少し詳しく知りたいと思い、クシクラゲについて調べていると、「モザイク卵」という言葉が出てきました。
あまり生物学関連に詳しくない為、反射の色が綺麗な生物なのだから、モザイク卵も何やらデザインがかった模様の卵なのかな・・・?等と(無知をひけらかす様で辛いのですが)思ってしまいました。
そして何気に「モザイク卵」というその言葉を調べてみたのですが・・・。
調べていけばいく程、専門的な言葉がどんどんどんどん出てきてしまいました。
奥深い分野だとは思いますが、調べる前に辟易してしまって知りたい意欲が無くなりそうでした。
しかし、やはりこんな私と同様の考えとまでは行かなくても、もっと簡単に「モザイク卵」を知りたいと思われる方もいらっしゃるはず!と思い立ちました。
ですのでこの記事では、かなり…いえ、物凄く大雑把ではありますが解説させていただき、なんとなく掴んで頂いて・・・。
そして、その後もっと詳しく調べてもらうための踏み台にして頂こうと思い、実に簡単ではありますが解説してみたいと思います。
モザイク卵と調整卵の簡単説明
まずモザイク卵と言うからには、他にも卵がある訳ですよ。
「モザイク卵」の対となる卵は「調整卵」と呼ばれています。
モザイク卵の代表格で挙げられるのが、「クシクラゲ」「単体ホヤ」「イトミミズ」等。
調整卵で挙げられるのは、「ウニ」「ヒトデ」「ナメクジウオ」と、出てきます。
そして、肝心の特徴についてです。
まず~受精したての卵が物凄い速度で細胞分裂して、最終的に親と近い姿になって卵を割って生まれる~というのは、なんとなくご存知と思われます。
モザイク卵と調整卵の一番の違いは、この最初の頃の形態の違いの部分です。
まず、一番初めの一つの細胞の時に親と全く同じ姿をしていると仮定します。
その細胞を、半分に割ってみたらどうなると思いますか?
1.半分にされてしまうのだから、右半分と左半分もしくは、上半身と下半身のように分かれてしまう。
2.同じ情報(遺伝子)を持っているので、大きさは小さくなってしまうが親と同じ姿で二つになる。
さてどちらを想像されたでしょうか?
答えは・・・。
1「モザイク卵」
2「調整卵」
なのです。
初めの卵細胞が分裂するときに1つずつの個体として切り離してしまうと...。
モザイク卵の特徴は、実は、その個体は既に本来普通に成長した場合体のどこの部分になるか決まってしまっているので、真っ二つに別れた姿になるのです。
もっと簡単にホールサイズのケーキに見立てて説明します。
クリスマス等で、板チョコにメッセージが書いてあったり、サンタさん型のお菓子が乗っていたりしますよね。
そこで、板チョコがある側とサンタさんなんかがいる側と分けて半分に切ったら、板チョコしか乗っていないケーキと、サンタさんしか乗っていないケーキとに分かれてしまいますよね。
つまり、元の板チョコもサンタさんも全て乗っているケーキではなくなってしまいます。
つまり、成長して生まれたときに、板チョコが有る部分と、サンタさんが乗ってる部分は一番最初の一つの細胞の時点で決まっていたという訳です。
では、調整卵とは・・・。
金太郎飴って聞いたことあるでしょうか?
棒状の飴で、棒の中には金太郎の絵がずっと入っていて、どこで切っても同じ絵柄(金太郎の絵)が出てくる訳です。
つまり、半分に切っても長さ(大きさ)は小さくなりますが、形体は同じという事になります。
もしくは、ギャグの入った戦闘漫画なんかでのシーンで、敵を二つに切ったら半分サイズの敵が二人に増えて、パニックになって切りまくったら、その分小さくなりながらもどんどん増えて収集が付かなくなる・・・のような場面を想像すると分かり易いかもしれませんね。
勿論、そんな無限に細胞を分けることは出来ませんので、調整卵の考えとしては、最初の卵割での考え方の例でとらえて置いて下さいね。
クシクラゲはモザイク卵の代表
では、肝心のクシクラゲとモザイク卵の話です。
クシクラゲとモザイク卵の話でよく言われている説を、先ほどのホールケーキで説明します。
クシクラゲには8つの櫛板がある事で櫛(クシ)クラゲと呼ばれているのですが、この「8つの櫛板」をホールケーキに等分に8本立てたロウソクとします。
半分に切ってしまうと、4本のロウソクが立ったケーキが2個。
4等分に切ってしまうと、2本のロウソクが立ったケーキが4個。
半分に切った方を何処かに持って行ってしまったら、4本のロウソクのケーキだけになってしまいます。
持って行かれた4本分のロウソクとケーキは無くなってしまうわけです。
つまりクシクラゲの場合、最初の卵の時点で2分してしまうと、櫛板が4つという不完全な幼生ができてしまうということになります。
4分してしまえば、2つの櫛板しか持たない幼生が出来てしまう訳です。
モザイク卵のモザイクとの意味
モザイク画で代表的な単色のタイルを壁等に貼り付けて、遠くで見たら絵になっているというタイル画で例えてみます。
そのタイル一枚一枚にその壁画を構成する意味が有り、欠けてしまうと不完全な姿になってしまいます。
そのことから、モザイク状の卵→「モザイク卵」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、調整卵の調整とは、モザイク卵とは対になっているという所から連想できます。
つまり、欠けた分も補って調整できるため、同じ形体に成る事が出来るという事です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事は、本当に大雑把な感じですが、他の詳細が沢山載っている記事で挫折してしまう前のとっかかりにでもなっていただけたら、嬉しいのですが・・・。
色々な意味で魅力なクシクラゲ。
最近解明されてきた事が多いクシクラゲですが、まだまだ不思議は尽きないと思います。
少しでも謎解きのお手伝いが出来ていますように・・・。