4億年もの間、深海に生存し続けた古代生物を語るにあたって非常に重要なラブカ。
時に漁の網にかかり、その姿を見ることがありますが、浅瀬の飼育が困難なため一般的には生存中の眼球すら見ることが難しい魚です。
そのラブカの大きさや身体の仕組みについてお話しします。
ラブカの大きさは?
ラブカは3億6,000年前に生存していたとされる古代サメに非常に似ていることから、サメの種類として認知されています。
大型鮫で有名なジンベイザメやサメホオジロザメなどに比べるとラブカは小ぶりな種と見られますが、ウナギのような長い胴体と鋭い歯を持つ口を開けた顔を持っているのは、やはり稀有な印象を受けます。
平均的にオスは160cm前後、メスは2m前後と性別で全長差が顕著に見られます。
メスがオスより大きいのは、のちに繁殖時に必要な体力やエネルギーを要するためとも言われています。
ラブカの身体の特徴は?
これまで生きたままの生態研究を試みるも、引き上げられたラブカは長く生きられないため叶えられないのが現状です。
しかし、引き上げられるラブカからは他のサメには見られない器官が明らかになっています。
ラブカは後部にヒレが集中しており、それらも大きいものではなく、体をくゆらせて遊泳する際水に漂うように動いています。
解剖の結果から、ラブカの消化器官内には餌の痕跡が見当たらないことから、消化機能が強いと見られています。
ラブカのエラはどんなもの?
英名「frilled shark (フリルド シャーク)」という由来はそのエラの形です。
頭部まで裂けた口の後部にヒラヒラとフリルのようなエラを持っています。
サメの仲間は大抵5対ですが、6対のエラを持つのもラブカの大きな特徴です。
まとめ
生きたままの観測が難しいラブカですが、今後ますます解剖や観察技術の向上で細部にわたるラブカの特徴や身体の構造の秘密が徐々に解明されることでしょう。
また、ラブカの正体が明かされることで、古代生物が生存していた時代の環境についてもさらに解明、新しい発見も見込まれるかもしれません。