深海の生物はいろんな大きさ、形、行動など、たくさんの特徴を持った生き物の宝庫です。
その中で、人魚の財布と呼ばれるものがあります。
それは、あまり一般には知られていませんが、ナヌカザメの卵です。
【たかむら】HPのフォトギャラリー更新しました。今週の1枚は「ナヌカザメの卵」サメの赤ちゃんの成長具合がご覧になれますよ! pic.twitter.com/pibdGrfWKc
— 鳥羽水族館(TOBA AQUARIUM) (@TOBA_AQUARIUM) 2018年5月7日
人魚の財布?ナヌカザメの卵
サメにも色々な種類がいます。
よく知られるのは、獰猛な映画にも登場するような、一般的に人食いサメといわれるサメなどや、大きなサメのおなかについているようなコバンザメなど。
その中で、基本的に人を襲わない、ましてや飼育環境下によりますが人に慣れることもあるナヌカザメという生き物がいます。
名前にナヌカ(七日)とありますが、由来としては、海上の陸地で七日放置しても生きている。と言われることからです。
実際には無理ですが、顔つきや、おとなしそうに見えても陸揚げされると暴れるところからきているイメージなのかもしれません。
その生態ですが、太平洋の北西部沿岸に生息しており、一部日本にも生息しています。
基本的に100~200m程度の水深で生活しており、岩陰でひっそりと生きています。
身体的特徴としては体が太く、口が大きく、背中は固いですが、お腹は伸縮性があり、威嚇のために海水をのみフグのように膨らみ、岩場に挟まることも可能です。
そして、特徴的なナヌカザメの卵です。
普段私たちがサメの卵とイメージするものはキャビアぐらいだと思いますが、このナヌカザメは意外な形の卵を産みます。
ナヌカザメは1年中繁殖ができ、数か月に一回、一日に2つ卵を産みます。
そしてその卵は半透明でプラスチックのような質感の殻に包まれています。
産んで間がないころは、中に白い球状なものが入っており、さながら真珠のようです。
一年かけてこの殻の中で成長します。
プラスチックのような殻の形はハープのようであり、端には、海藻などに絡みつくために蔓のようになっています。
蔓のような形の部分で海藻などに固定されるものが多いですが時には外れてしまい、陸上に上がることがあります。
そうして海岸にうちあげられることもあり、昔の人はこの美しさや質感などから人魚の財布と信じていました。
今は、研究が進みナヌカザメの卵と判明していますが、なんだかロマンがありますね。
まとめ
サメの卵といっても種類があるように、ナヌカザメの卵も特徴的な形をしていました。
昔の人のロマンあるネーミングセンスがとても素敵だと思います。
人魚の財布といわれる、ナヌカザメの卵。
海岸で見つけたらそっと海に返してあげたいですね。