深海に生息するとされているヌタウナギですが、実は、日本国内でも釣ることができます。
あちらこちらで釣られ、刺し身や唐揚げ等で食べられているヌタウナギの生態について、説明したいと思います。
ヌタウナギの生態は?
ヌタウナギのもっとも大きな特徴は、ヌタウナギの名称にもなっているヌタではないでしょうか。
ヌタとは、ヌタウナギがもつヌタ腺なる粘液腺のことになります。
釣ったことのある人はよくご存知だと思いますが、実は、このヌタウナギには粘液を放出する孔が70個から200個あり、危険を察知すると、白いぬるぬるとした繊維状のたんぱく質を大量に分泌する習性を持ちます。
ちなみに、この分泌物は、ただの水分ではありません。
海水を含むとゼリー状の物質になりますが、その物質で相手を包みこみ、窒息寸前まで追い込みます。
その間に、ヌタウナギは安全な場所へと移動することができるのです。
生きた化石と言われる古代魚ですが、この自分自身を守る知恵は、誕生した時から現代まで、変化はありません。
ヌタウナギ特有の逃亡手段と言っても過言ではありません。
それから、ヌタウナギの身体的特徴として、顎がないことが挙げられます。
細長い身体はウナギそのものですが、皮膚は粘液に覆われており、身体の両側には1~16対の鰓孔があることが分かっております。
骨格がないため、柔軟な身体をしており、小さな穴でもするりと入り込むことができるほか、深海の中を自由に泳ぐことができます。
ただ、歯がないため、固いものをかみ砕き食することはできません。
歯の代わりとなる歯状突起が舌の上にあり、その突起を利用して大型の魚に吸着し、徐々に内部を侵食する習性を持ちます。
ヌタウナギは卵巣、精巣の両方をもちますが、機能しているのはどちらか一方であり、同時に機能させることはできません。
目についてですが、退化した目は皮膚に埋没しており、眼球にも水晶体がないことから、視力はそれほど機能していないのではないかと考えられております。
まとめ
ヌタウナギが餌とするものは、ゴカイ、頭足類、甲殻類になります。
また、クジラや大型魚類等の亡骸に集まり食べることから、腐肉食性であることも判明しております。
ちなみに、英語名ではHagfish、Slime eel、韓国名ではモクジャンオ、中国語名では盲鰻と呼ばれております。