クモなのにクモじゃない?
海底を這うように歩く“ウミグモ”は、実は陸で見かけるクモとは全く違う生き物の種類だって知ってましたか?
今回は、水族館などで見かけるウミグモの知られざる生態について調べて行きたいと思います。
ウミグモ pic.twitter.com/3mJ03SvEqm
— ナム (@Namkabuan) 2014年3月17日
ウミグモの生態とは?
ウミグモは世界中の寒帯から熱帯の海洋に分布し、深海などにも生息地域を持っています。
また世界中に800種類は存在し、日本にも100種類はいると言われています。
特に群れを成して生息している様子もなく、軟体動物や刺胞動物に寄生するもの、自由に生活するものがいて、遊泳したり海底を歩行して移動します。
身体は個体にもよりますが、比較的小さくその体長は1~数十mmで、よく見かけるものは3mmほどのもの、深海には足を伸ばすと30cmもの大きさになる「オオベニウミグモ」と言う種類のウミグモも存在します。
頭部にはハサミのような肢があり、触肢、担卵肢の3対の付属肢があります。
中でもウミグモの特有として、卵を抱える担卵肢はオスでよく発達して卵塊を保持する役割をしています。
頭部にはほかにも食べ物を吸い込むための吻があります。
背面には4つの単眼があります。
ウミグモの多くの臓器は脚の中へ差し込み、生理活動も主に脚を通じて行い、呼吸用の器官もなく体表から直接ガス交換を行います。
血液の循環は胸にある心臓では力不足となるため脚の伸縮によって流動しているのだそうです。
ちなみに、幼生のころには頭しかなく鋏肢と2対の幼生付属肢のみを持って生まれてきます、成長に伴って歩脚をもつ体節を増やしていきます。
そんなウミグモですが過去にはアサリなどへの寄生が原因で被害を被ることもしばしばありました。
さらに昆虫食を近年では行う傾向にあるなか、ウミグモを素揚げにして食することもあるそうです。
とはいえ、世界的に見ると800もの種類があるウミグモ、まだまだ解明されていないことは沢山あるのが現状です。
まとめ
陸のクモとは全く別の生き物で、海底を這うように移動したり、軟体動物に寄生して生活したりと海の中で静かに生活しているウミグモの生態について調べてきました。
日本にもその種類は100種類もあり、水族館などでも深海魚コーナーやへんないきものコーナーでも時折展示されているのを見かけます。
最近では食用にもなっているウミグモの生態はこれからも徐々に解明されていくことでしょう、ゆっくりとしたその動きに癒されに行ってみてはいかがですか?